風瀬のお仕事

 本書内後付において、「CAD操作・解説/風瀬 由季」と立派に表記して頂きました。

 具体的には作図計画&手順の解説&アドバイス&実際のCAD操作&各種のデータ作成…。つまり企画どおり「初心者が本当に一週間で作図できる」を実現できる作戦&お手本作りが私の役割でした。目指したのはズバリ「私が欲しかった本」。

 ひと口にCAD作図といっても、実践できるまでには数多くの広く浅い予備知識が必要です。私が業務上最も手を焼き、なかなか習得できなかったポイントがここでした。それらをできる限り実務に則し、楽しみながらひとつでも多く学習できるようにと編集担当の家入さんと共に知恵を絞り、さまざまな工夫を凝らしてアドバイスを全体にちりばめるよう心がけました。

 それにしても「明石海峡大橋」は本当に恵まれたバランスの良い教材でした。この1冊を体験することにより、私の土木作図経験7年間分のエッセンスを、なんと7日間で垣間見ることができるのです!
 企画して下さった日経BP社や、こころよく図面を提供して下さった本州四国連絡橋公団、今話題の建設CALS関連の情報を下さった建設省土木研究所、インターネットを利用した建設機械のCAD部品を提供して下さった日本土木工業協会の担当者みなさま、そして何より体験版ソフトや多くの情報提供いただいたオートデスク社の方々に私からも心よりの感謝を申し上げます。

 ジャンルや担当部署によっては一生使わなくて済むコマンドも含まれているかもしれませんが、無知による手間やストレスをなるべく取り除きたいと願って、できるだけ多くの便利コマンドを採用したつもりです。これを実戦でどう生かすのかはあなた自身の力です。ご質問やご意見などいただければ、ぜひお応えしたいと思っています。

 そうそう、もうひとつ。PLANETco.として手がけたことがあります。「惑星図書館」と題した図面閲覧システム(CD-ROM内)の作成です。本書内に盛り込みきれなかったアイデアを目に見えるカタチで表わしたものですので、大いに学習に役立てていただければと思います。・・・ついでに云ってしまうと・・・風瀬が最も嬉しかったのはBGMにオリジナルテーマ曲を収録できたことなんですょ。


執筆にあたり・・・ ひとことふたこと ・・・風瀬の想い

 土木業界の各社にCADが導入されてようやく10年といったところでしょうか?これまで各社の「CADリーダー」とも呼ぶべきどなたか(多分あなた)が、試行錯誤の上各社毎のルールやフォーマットを築いてこられたものと想像します。

 私は24歳の時はじめてパソコンと出会いました。
 それまで、高校の普通科を出て、短大では保育を学んで順調に(?)保母として勤務していた私には「土木」や「コンピュータ」というのは全く接点のない世界でした。当初、キーボードといえば「鍵盤楽器」を当たり前に連想するくらいの素人だった私が派遣OL→正社員→フリーとして、とりあえず生活の糧を得て生活して来られたのは周りの理解ある方々と「 AutoCAD 」のお陰だったと思っています。

 はじめて「 A1 図面」を見て紙面の大きさに驚かされ、その紙面を人が正確にバランスよく埋めていく「製図」という技術とエネルギーを目の当たりにして圧倒されたあの日から、はや7年が経った現在、急激なデジタル化の流れの中で、初期にはあんなに突飛に思われたCADによる作図が当たり前に普及し、CADソフトも多様化して設計作業に不可欠のものとなりました。

 その間それぞれの環境で、実務の中で必要に迫られたくさんの方に教わりながらひとつひとつを覚えてきた私でしたが、新しいことを覚える(忘れる)たびに、また質問を受けるごとに「土木のCAD用マニュアル本」が欲しいと思うようになりました。特に自分の知識を誰かに伝えたいとき、グループで共通の認識を持ちたいとき等、「なにか基準となるもの」、何より初心者向けの導入本の必要性を痛感させられました。

 大きな書店やパソコンショップへ出かける度に隈無く探したつもりですが、残念ながらこれまで私の思い描くような出版物には出会えませんでした。
 だからこそ、「私が欲しかった一冊」をつくってみようと考えるようになりました。「素人でもわかる土木基準に則った Windows 対応 AutoCAD の導入本」となること、土木業界における AutoCAD ユーザーのささやかな手助けとなり、標準化の布石となることを心から願いつつ。

 そんな(私には珍しく)熱い想いで企画をとりまとめた頃、日経コンストラクションの方から本書の執筆依頼を受けたのです。多分、怖いもの知らずであることと、数少ないフリーの土木関係者だったことが幸いし、このような貴重な経験ができたのだと感謝しております。 今でも信じられないことですが、私の出身地兵庫県の新しいランドマーク「明石海峡大橋」が題材と聞いて、不安よりもワクワクする気持がみるみる膨らんでゆくのを感じました。

 何冊もある分厚いオフィシャルマニュアルは、初めは誰もが取っつきにくいものです。また、バージョン毎の「徹底解説書」や各種「裏ワザ集」は、既に(これからも続々と)すばらしいものが出版されていることでしょう。本書が、初級者の方に前述の書物に手を伸ばすための少しの実力と勇気を与え得ることを期待しています。

 最後に、これまでの社会生活で私を信じて仕事や経験を与え励まし続けて下さった多くの方々と、この夢のようなプロジェクトに私を導き、常にご助力下さった日経BP社の家入龍太さん、より親しみやすい冊子となるよう(ゆき先生のキャラクターも)デザインして下さったTハウスのみなさんに、この場を借りて心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

  1998年 春
          いつか、大好きな神戸の街のチカラになることを祈って...  風瀬 由季

Music by YUKI KAZASE  

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